陽性反応=病気の確定ではありません

新生児マススクリーニング検査で陽性反応が出ていても、病気だと診断できるわけではありません。陽性反応が出ていて、ムコ多糖症Ⅱ型の特徴的な症状の確認が認められた場合、以下のような検査を行い、確実に診断を行います。

  • 尿中のムコ多糖の検査
  • 血液や細胞の酵素活性の検査
  • 遺伝子検査
  • X線検査

など

1分でわかるムコ多糖症Ⅱ型

ムコ多糖症はライソゾーム病の一種です。

細胞には「ライソゾーム」という器官が含まれています。ムコ多糖症とは、ムコ多糖(GAG)を分解するライソゾーム内の酵素が働かなかったり、弱かったりすることによって、ムコ多糖が全身の細胞の中にたまってしまい、さまざまな臓器に障害が生じる病気です(先天性代謝異常症)。

最も多くみられるムコ多糖症Ⅱ型(別名:ハンター症候群)

ムコ多糖症の中で、最も患者さんが多いのがムコ多糖症Ⅱ型で、半数以上を占めます。ムコ多糖症にはさまざまな型がありますが、Ⅱ型は性別を決めるX染色体が関与するため、男子に発症します(X連鎖性遺伝)

ムコ多糖症Ⅱ型には治療法があります

ムコ多糖症Ⅱ型には、大きく分けて3つの治療法があります。
どの治療法を行うかは、症状や重症度などに応じて慎重に判断されます。

酵素補充療法(静脈内投与)

欠損あるいは不足している酵素(イズロン酸-2-スルファターゼ)を体外から点滴などで補充する治療法です。体外から投与された酵素が細胞の中に運ばれて、たまっているムコ多糖を分解することによって症状を改善し、病気の進行を抑えることが期待されます。

酵素補充療法(脳室内投与)

酵素補充療法(静脈内投与)では、酵素製剤が中枢神経に届かずに、運動や言葉の遅れなどに対する効果を得ることができませんでした。しかし、近年脳室内に直接投与する酵素製剤が開発され、新しい治療法として選択できるようになりました。
より早い時期に治療を開始することで、発達の遅れを抑制することが期待されています。

造血幹細胞移植

正常な造血幹細胞をドナー(提供者)から患者さんに移植して、不足している酵素を自分の体の中でつくることができるようにする治療です。

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