用語解説

ア行

イズロン(さん)-2-スルファターゼ

細胞のライソゾームの中にある酵素の1つで、ムコ多糖(グリコサミノグリカン)という物質を分解します。

遺伝子(いでんし)治療(ちりょう)

病気に関わる遺伝子の働きを抑制したり、補ったりするために、体の外から患者さんの体内に、病気に関連した「遺伝子」を導入する方法。ライソゾーム病の治療薬としては、現在研究開発中です。

X(えっくす)連鎖性遺伝(れんさせいいでん)))

X染色体上にある遺伝子の変化によって発症する病気です。女性はX染色体を2本、男性はX染色体を1本持っています。女性は変化のない正常なX染色体も持っているため、発症しません。通常、男性のみ発症します。また、男性患者さんの母は、変異遺伝子をもつ保因者である可能性があります。

カ行

関節拘(かんせつこう)(しゅく)

関節が固くなって、思うように動かせない状態をいいます。

気管(きかん)切開術(せっかいじゅつ)

のどを切り開いて、気管の壁に穴を開けて気道を確保する手術。開けた穴には管を入れて、穴が閉じないようにしています。

血液(けつえき)(のう)関門(かんもん)

脳の入り口には血液脳関門と呼ばれるバリアが存在し、脳に必要な物質以外の異物が脳内に簡単に入らないようにする仕組みになってます。酸素や栄養分などの必要な物質は脳の毛細血管から脳内に取り込まれますが、血液中の分子量の大きい薬剤などは、通常は血液脳関門を通過することはできません。

酵素(こうそ)補充(ほじゅう)療法(りょうほう)

不足しているライソゾーム酵素を遺伝子組換え技術を使って生成し、補充する治療法です。

骨髄(こつずい)

骨髄は骨の中にある空洞を埋めるように存在するスポンジ状の組織で、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞をつくる組織です。

骨髄(こつずい)移植(いしょく)

何らかの理由で、体の中で正常な血液をつくることができない場合に、患者さんの骨髄を健康な人(ドナー)から提供された骨髄に置き換える方法です。

サ行

臍帯(さいたい)(けつ)

赤ちゃんとお母さんをつなぐ臍帯(へその緒)と胎盤の中に含まれる血液です。

臍帯(さいたい)(けつ)移植(いしょく)

臍帯血の中には、赤血球、白血球、血小板といった血液細胞をつくり出す造血幹細胞がたくさん含まれています。この臍帯血を用いた移植のことを臍帯血移植と呼びます。

(さい)ヘルニア(でべそ)

体内の臓器などが、本来あるべき位置からはみ出した状態がヘルニアであり、臍の部分から腸が脱出した状態のことを臍ヘルニアと呼んでいます。

(じょう)染色体(せんしょくたい)潜性(せんせい)遺伝(いでん)

病気の原因となる「変化のある遺伝子」が常染色体上にあり、2本ずつ対となっている染色体のうち2本ともに変化がある場合に発症する遺伝形式です。

染色体(せんしょくたい)

性別にかかわらず、共通してもっている染色体を常染色体と呼びます。ヒトの場合、22対(合計44本)の常染色体があります。

先天性(せんてんせい)代謝(たいしゃ)異常症(いじょうしょう)

生まれつき特定の酵素がなかったり、働きが弱かったりすることによって、正常な代謝が行われず、分解されるべき基質が蓄積するために発症する病気です。

造血(ぞうけつ)(かん)細胞(さいぼう)

造血幹細胞は、主に骨髄と臍帯血に存在して、血液の中にある赤血球、白血球、血小板などの血球系細胞の基になっています。

鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸(だっちょう)

体内の臓器などが、本来あるべき位置からはみ出した状態がヘルニアです。鼠径ヘルニアは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部(足の付け根部分)の皮膚の下に出てくる病気です。

ハ行

弁膜症(べんまくしょう)弁膜(べんまく)障害(しょうがい)

心臓のポンプ機能を支えているのが、心臓内にある4つの弁です。弁膜症(弁膜障害)は、この弁に何らかの問題があって、働きが悪くなり、血液がスムーズに流れにくくなったり、逆流するようになった状態をいいます。

保因者(ほいんしゃ)

原因となる遺伝子変化を持っていても、発症していない人のことをいいます。

マ行

ムコ多糖(たとう)

糖がたくさんつながった物質の1つで、体の中の皮膚や骨、軟骨、靭帯などの組織に多く存在します。グリコサミノグリカンもムコ多糖の一つです。

ラ行

ライソゾーム

細胞の中にある小器官で、体内のいらなくなった物質(老廃物)を取り込んで分解し、掃除する役割を担っており、何種類もの分解酵素が含まれています。

ライソゾーム酵素(こうそ)

ライソゾームの中に存在する何種類もの分解酵素の総称で、それぞれの分解酵素が不要になった体内の特定の脂質や糖質などを分解しています。

ライソゾーム(びょう)

ライソゾーム酵素が生まれつきなかったり、働きが弱かったりして、本来は分解されるはずのいらなくなった脂質や糖質などが、体中の細胞内にたまることによって引き起こされる病気を総称して「ライソゾーム病」と呼んでいます。