新生児スクリーニングにより診断されたムコ多糖症II型患者様の経過に関する報告

北海道では、2020年11月からムコ多糖症Ⅱ型を含む病気を対象とした拡大新生児スクリーニングが行われています。
今回の研究では、新生児スクリーニングで診断された2名と、兄弟の診断をきっかけに診断された1名の、計3名のお子さんの治療経過が検討されました。
3名のお子さんは、重症型のムコ多糖症Ⅱ型と診断され、脳室内酵素補充療法と臍帯血移植を組み合わせた治療を受けました。
本報告では、治療後の発達の様子に加えて、脳や神経への病気の影響を評価する指標の一つである脳脊髄液中の「ヘパラン硫酸」を含む検査値の推移などが紹介されています。 本報告は3例の経過をまとめたものであり、特定の治療法の有効性・安全性を示すものではありません。治療の適応や方法は、患者さんの状態に応じて専門医が判断する必要があります。
本論文の全文は、以下のリンクからご覧いただけます。
Combined Intracerebroventricular Enzyme Replacement and Cord Blood Transplantation in Patients with Mucopolysaccharidosis Type II Diagnosed Through Newborn Screening
論文著者からのコメント
ムコ多糖症Ⅱ型では、症状が進行する前に病気を見つけ、適切な医療につなげることが重要だと考えられています。
今回の研究は、拡大新生児スクリーニングによる早期診断と、早期からの治療介入の重要性について考えるうえで参考となる報告です。
今後、さらに研究が積み重ねられることで、ムコ多糖症Ⅱ型のお子さんにとって、より良い診断や治療につながることが期待されます。
論文著者
植田 佑樹先生
北海道大学大学院医学研究院 生殖・発達医学分野
小児科学教室 助教
