診断までの道のりと日々の生活、家族の想い

N.S.さん

今回のみんなの声は、ムコ多糖症Ⅱ型患者様のお母様N.S.さんに、診断に至るまでの経緯や日々の生活、そして今感じられている想いについてお話を伺いました。

最初気になっていたことや、違和感はありましたか

1歳半頃、周りの子と比べて身長も体重も大きく、お腹もぽっこりしていました。町のお医者さんには“太っている”といわれ、「食事やお菓子には気を付けないとだめだ」と言われたことを覚えています。私も気になっていたので、お菓子は食べさせていなかったし、食事も本に書いてある通りの分量を測って食べさせているのに、なんでだろうと思っていました。
言葉はゆっくりな方だったと思いますが、年少の時に保育園から、市の支援教室を勧められるまでは特に指摘されたことはありませんでした。

総合病院を受診したきっかけを教えてください

3歳頃に中耳炎を繰り返していたので、耳鼻科に通っていました。3歳4ヶ月のときに、耳鼻科の先生から、“代謝異常症の可能性がある”と、市の総合病院を紹介されたのがきっかけです。
耳鼻科の先生に言われてから、総合病院を受診するまでの間に色々と調べてみましたが、“ムコ多糖症”という疾患までは自分ではたどり着けませんでした。耳鼻科の先生が紹介状に“ムコ多糖症疑い”と記載してくださっていたので、診断まで早かったのではないかと思います。 後から聞いたところ、たまたま耳鼻科の先生が参加された学会のセミナーで「耳鼻科に通院している子の中に、ムコ多糖症の子が隠れていることがある」という内容を耳にされたそうで、それが大きなきっかけになりました。

ムコ多糖症Ⅱ型と診断されたときのお気持ちと周りの方々の反応はいかがでしたか

「まさか・・・そんなことがあるんだ。」という気持ちでした。夫は、私が落ち込む性格なのを見越して、「まあ、しょうがないんじゃない」というくらいの感じだったと思います。私の両親もショックだったと思いますが、「これからの彼を支えていくのが親の役目で、専門の先生に連れて行って、病気のことを理解して支えないとだめだ」と冷静に言われました。パニックになって泣かれたりするよりは良かったかなと思います。友人の看護師や周囲の方々の励ましもあって、自分も少しずつ前を向けたと思います。そして何より、彼自身が一生懸命頑張ってくれていたので、私も頑張れました。

お子様の性格や現在の様子、ご家庭での過ごし方を教えてください

人が大好きで、いつもニコニコしている人懐っこい性格です。小さい頃は人見知りや場所見知りがありましたが、成長とともに新しい場所にもすぐ慣れるようになりました。
歌がとても好きで、新しい歌でもすぐ覚えて歌います。意外と音程もしっかりしていて、私が知らない歌もよく歌っています。一時期は言葉がほとんど出なくなり、心配した時期もありましたが、2〜3年前頃からは言葉が増え、少しずつ変化が見られるようになりました。
現在はデイサービスにも楽しんで通っていて、お好み焼き作りなどの“料理系”の活動が特に好きなようです。混ぜる、野菜を切るなどの作業が好きみたいです。
弟がサッカーを始めたので、子供たち3人でボール遊びをしたり、ブロック遊びにも夢中になって過ごす姿もよく見られます。我が家は共働きなので、家事や育児は“できる人ができることを担当する”という形で助け合っています。

自治体の支援はどのように知りましたか

療育のような発達相談に通っていたときから、担当の支援員さんがついてくださり、その方に今の生活について困っていることを相談したり、自治体のサービスを教えてもらったりしていました。
私も療育に行くことに対して葛藤した時期がありましたが、勇気を出していくことで、そこから道が開けたり、受け入れることが出来たり、色々な人とつながることができました。同様の状況で悩まれる方がいらっしゃったら、勇気を出して一歩踏み出してみて欲しいと思います。

お子様への願い、そして同じ病気のお子様を持つご家族へメッセージをお願いします

多くは望まないので、今の状態が少しでも長く続いて欲しいと思います。進行性の病気ということは分かっているので、今みたいに好きなものを食べられて、遊べて、自分の足で歩ける時間が少しでも長く続いてくれることを願っています。同じ病気のお子様を持つご家族には、ぜひ一人で抱え込まず、周りの人に相談してほしいと思います。患者会もありますし、不安な気持ちを言葉にすると、意外なほど多くの方が手を差し伸べてくれます。 一歩踏み出してみると世界が変わると思いますし、私自身も様々なことを受け入れて成長できた気がします。どうか勇気を出して一歩踏み出してみてください。

2026.03.25掲載